top of page

「すべての⼈がグリーフを抱える時代を⽣きるために」
シンポジウムを開催いたしました。

2023 年2⽉ 23 ⽇(祝)リアル&Zoom 同時開催
第⼆回グリーフサポートシンポジウム
by ⼀般社団法⼈グリーフサポート研究所

⼀般社団法⼈グリーフサポート研究所(東京都中央区、代表︓橋⽖謙⼀郎)が、コロナ禍の中で⻑く開催が待たれていた シンポジウムイベントを 2 年ぶりに開催いたしました。
2023 年 2 ⽉ 23 ⽇(祝)10 時―12 時、お茶の⽔ソラシティカンファレンスセンター Room A にて。
その模様をご報告させていただきます

PXL_20230223_030122371.jpg

コロナ禍では「すべての⼈がグリーフを抱えた」(橋⽖謙⼀郎基調講演より)

シンポジウムは⼆部構成で、第⼀部はグリーフサポート研究所代表の橋⽖謙⼀郎による、この混迷の時代を⽣きていくためのグ リーフとの向き合い⽅についての基調講演でした。

 

 

 

 

 

 


 

 

「喪失という⾔葉を聞いて何を思い出しますか︖」という問いかけから講演は始まり、通常「グリーフ」というのは死別体験によるも のを指すことが多いのですが、実はペットロスから、退職、親離れ⼦離れに⾄るまでの「喪失」は広くグリーフを伴うものであること、そ してこの⻑く続いたこロナ禍の中では、どんな⼈でもグリーフを抱えていたと橋⽖謙⼀郎は分析します。
職場に⾏けない、学校に⾏けない、⼈と会えない、病院へのお⾒舞いができない、亡くなる時の看取りができないなど、あらゆる 喪失がありました。

経済活動の停滞や⼦どもたちの学校⾏事ができない損失もありました。
通常、当たり前にあるものだった社会 活動が失われてしまったため、このコロナ禍の中ではどんな⼈にもグリーフが経験として共有されてしまったこと、そしてそれは⼈の⾝ 体、感情、認知、
社会、スピリチュアルといった分野に影響を与えたことを指摘します。
この社会状況を変えていくために、グリーフサポートの活動を通じて、グリーフに苦しむ⼈々が少しでも前に進んで、⼀⼈で苦しまないような社会にしていくことを呼びかけました。

PXL_20230223_011439261.jpg

「⼦どものグリーフ体験者だから発信できることがある」
19 歳の⼤学⽣が企画した冊⼦

シンポジウムの第⼆部は、「グリーフと向き合うきっかけをつくること」と題して、橋⽖謙⼀郎と、10 代のグリーフの体験者の⼤⽮健⼈さんの対談が⾏われました。⼤⾕さんは慶應義塾⼤学総合政策学部の 1 年⽣。⼩学校 5 年⽣の時、⺟親を亡くしたことをき っかけに、当事者としての⼦どものグリーフに関しての発信、活動を続けてきました。

ティーンエイジャーのグリーフについて体験者の⽴場から発信する⼤学 1 年⽣ ⼤⽮健⼈さん

⾼校 3 年⽣の時、⽇本のグリーフサポートの第 ⼀⼈者、橋⽖謙⼀郎に⾃らコンタクトをとりグリーフについて学び、その直後から当事者としての活動の輪、サポートの輪を広げるた めの 10 代向けの冊⼦の企画を提案しました。


 

スクリーンショット 2023-05-14 101856.png

「⼤切な⼈を亡くした君へーそして友達のことが⼼配なあなたへ」

⼤⽮さんの発案、グリープサポート研究所の製作で、2022 年 12 ⽉に編集された冊⼦「⼤切な⼈を亡くした君へーそして友達の ことが⼼配なあなたへ」。

漫画を使⽤したわかりやすく、親しみやすい内容で、グリーフの当事者になったティーンエイジャーと、その周 囲の友だちへのメッセージを送っています。

⽇能研関東様の協⼒で、⼀都三県の私⽴中学、⾼校に、配布されています。

​「共感」とは何か。グリーフを「サポートする」⼤切さを語り合う

 

 

 

 

 

 

第⼆部の対談では、まず⼤⽮さんの⼦ども時代の体験の話を橋⽖がインタビューするたちで、死別体験をした時の経験や家族、 周囲の友達とのエピソードなどが話題になりました。⼤学⼊試を⾒据えた時に⾃分のテーマとしてグリーフサポートについて学びたい と考え、またティーンエイジャーのグリーフについての冊⼦を漫画を使って表現したいと思ったことなど、ファシリテーターの市川⼒さんに 司会を移してトークが続き、その後参加者からの質問タイムでは「共感」と「よりそい」の違いは何か、⾃然な共感と意識的な共感 の差は何か、などグリーフサポートのあるべき姿、あるべきサポートの姿にまで本質的な部分へ話が広がりました。

「⼤切な⼈を亡くした君へ」は、 ここからダウンロードできます。
https://mangabooklet.griefsupport.co.jp/

 

〈基調講演・対談出演者紹介〉

橋⽖謙⼀郎 (はしづめ けんいちろう)

⼀般社団法⼈グリーフサポート研究所 代表理事 株式会社ジーエスアイ 代表取締役 1967 年北海道⽣まれ。1994 年に渡⽶。ピッツバーグ葬儀科学⼤学卒業後、フューネラルディレクター全⽶国家試験に合格。 卒業後ジョン F .ケネディ⼤学⼤学院に⼊学し、ホリスティックヘルス教育学修⼠課程を修了。その後、⽶国グリーフケアの第 ⼀⼈者である アラン・D・ウォルフェルト博⼠より、グリーフケアを学ぶ。2001 年、カリフォルニア州にてエンバーマーライセンスを 取得し帰国。2004 年、(有)ジーエスアイを起業し、エンバーミングの普及とエンバーマーの育成、並びにグリーフサポートの担い⼿ の育成を⾏う。2018 年、⽇本におけるグリーフサポートの研究のために(⼀社)グリーフサポート研究所を設⽴。毎年、グリ ーフサポートに携わる⼈材を輩出し、グリーフサポートの普及に努める。

⼤⽮健⼈ (おおや けんと)

慶應義塾⼤学総合政策学部 1 年 2003 年 6 ⽉東京都⽣まれ。幼稚園から⾼校まで学習院に通い、2022 年に慶應義塾⼤学総合政策学部に⼊学する。 慶應義塾ライフセービングクラブおよび⻄浜サーフライフセービングクラブに所属し、ライフセービングスポーツに取り組んでいる。 ⼩学 5 年⽣の時に⺟親が急死した経験をきっかけに、グリーフサポートの活動を開始。喪失体験者である⾃分の実体験をもとに、 グリーフサポート研究所の協⼒のもと「⼤切な⼈を亡くした君へーそして友達のことが⼼配なあなたへ」を企画⽴案。

市川⼒(いちかわ ちから)

⼀般社団法⼈みつかる+わかる代表理事・明蓬館⾼等学校(広域通信制)副理事⻑ 慶応義塾⼤学 SFC 研究所上席所員 ⻑年、⼤⼈と⼦どもが⼀緒になって⾒えないなりゆきを追いかける学びを研究・実践。多様な⼈たちが持ち前の好奇⼼を発揮し てともに成⻑する場を⽣むまちのジェネレーターとして活躍。なんとなく気になったことを集めて歩き、旅し、妄想し続ける「雑」のアー カイバー。主な著書は『探究する⼒』(2009 年)井庭崇編『クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育』(2019 年最 新刊は、井庭崇との共著『ジェネレーター 学びと活動の⽣成』(2022 年)。

bottom of page